2010年5月「幸福の国」のフレーズに誘われてブータン王国を訪れました。

 

国土面積は、九州よりやや小さく、人口70万人弱の小さな国。

2008年に絶対君主制から立憲君主制に移行し、現在第5代国王が即位している。


ヒマラヤ山脈の東に位置し、インド、中国に囲まれた国土は、標高150mから7,500mの山岳地帯で、3000m以上のツンドラ気候が45%を占め、1200m-3000mのモンスーン気候が40%、1200m以下の亜熱帯気候が15%と気候風土の変化に富んでいるが平坦部がほとんど無い。

国民の8割が農業で自給自足の小規模な地域経済によって、あくせくせず食べることができるのは、幸福の第一条件のようだ。

主要な輸出は、水力発電による電力をインドに送って外貨を得ているが、国内での電力事情は悪く停電も多い、小さな太陽光パネルによる照明を併用しているところもある。
国際空港にすら誘導灯などは1灯もない。


潮流としての近代化や市場経済への移行によって生ずる所得格差や貧富の差の増大にどう対処するのかが気になる。


ネパール系難民の流入を阻止するためにもうけられたともいわれ、着用義務のある民族衣装(ゴーやキラ)にも布地やデザイン・色・柄に格差が見られ、農家も牛からトラクターへと夢を見ている。


消費財、資本財の工業製品のほとんどがインドからの輸入であり、道路や発電所の建設もインド人に依存している。


徴兵制はなく、小規模な軍隊でインド軍と一緒になって、至る所で山岳地特有の検問が行われている。


義務教育制もないが教育費は無償で、教育には親子共に熱心で、むしろ親たちは子供が学校に行くのを誇りにさえ思っている。片道数時間の山道を通学する子も多く、英語とゾンガ語(母国語)での授業が行われている。


子供たちの表情は、非常に明るく、私のカメラにも愛想良く反応してくれた。この国に来て、鋭い目付きの人は一度も見かけなかったし、強引な物売りも見なかった。

西に隣接し紅茶で有名なシッキム州(1975年にシッキム王国からインド領に併合)を目の当たりにしている小国ブータンの近代化には、苦労も多いと思うが、子供たちの明るい笑顔が何時までも続いてほしいと願って快晴のパロ空港を後にした。

最後に、地元でマダム呼ばれキラの似合う青木(広島県出身・夫ブータン人)さんの豊富な知識と明るく活き活きした名ガイドによって楽しい旅となり、彼女のブータンでの幸福度を伺い知ることができました。
タシデレ!!(乾杯)
 
               
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パロゾンと国立博物館
タシチョゾン(ティンプー県)
プナカゾン(プナカ県)
       
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